「やんばるクイナ」に出会う旅   (エピローグ:三角池と用水路)「ヤンバルクイナ」
 今日は6月23日、旧暦5月4日にあたり糸満ハーレーが行われる日です。梅雨はハーレー開始の鐘の音と共に終わり、沖縄に夏がやって来ると言われています。まさに気象庁も、この日で今年の梅雨が明けたと発表しました。

 「やんばる」は希少生物の宝庫でした。しかし、身近なところにも面白い生物はたくさんいます。那覇の隣り、豊見城市内の三角池には、コサギ、チュウサギを始め、環境省レッドリスト絶滅危惧IA類のクロツラヘラサギまで、たくさんの渡り鳥が羽を伸ばしています。近所の用水路には名前の知らない魚があふれ、それをもとめてヤンバルクイナによく似た鳥(実は、「バン」)まで棲みついています。

【豊見城市 三角池の住人たち】

ゴイサギ

クロツラヘラサギ

コサギ

チュウサギ

アオサギ

サギの3ショット

 用水路の中を注意深く覗けば、ミドリガメにスッポン、ガザミ(蟹)、ウナギ、ドブネズミまで確認できました。皮肉にもこれらの生き物は、水の清いところには集まらず、生活用水の流れるややドブ川に近いところにいるようです。我々が、裏通りの狭い路地にある、古びた飲み屋に集まるのと同じ習性と思われます。[用水路に群れる魚たち]

 しかし、最近の飲み屋は女性客を意識して随分綺麗になりました。ラーメン屋についても、床一面が豚の背油でヌルヌルしているようなお店は影を潜め、フローリングのお洒落なお店が主流です。鳥や魚にしても同じでしょうから、これからは川も海も汚さないように気をつけなければいけません。

 一方、東村の慶佐次ヒルギ公園で初めて目にしたシオマネキですが、豊見城市内にも用水路の河口付近にたくさんいることに気が付きました。しかも、右利き・左利き両方健在です。[豊見城市内のシオマネキ]

 近くの用水路から始まった「やんばるクイナ」に出会う旅でしたが、実は「やんばる」に出向くまでもなく、地元豊城市内にも多くの生き物が生息することをあらためて認識する旅になりました。すでに手に入れてしまった我々の文化的な生活を手放すことはもはや困難ですが、今後はできるだけ自然に介入しないよう見守って行きたいと思います。

 やんばるエリアの探索は、これにて終了します。 広域基幹林道大国線の探索はまだ半分残っており、奥与那線には手も付いていません。本物のヤンバルクイナに出会うことも未だに叶っていませんが、これ以上はやんばるへの夢と生態系保護のため、そっとしておこうと思います。

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