【5月】 東京荒川 雑草だより (日光街道 千住宿)

宿場町通り

 荒川の河川敷では大きな鯉のぼりが泳いでいます。 今いる場所は北千住で、4月に紹介した天狗の鼻から5km程下ったところです。 「北千住」とは駅の名前で住所表示は千住。千住といえば日光街道の宿場町だったところで、「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」、松尾芭蕉の奥の細道の出発地として有名です。

 隅田川に掛かる千住大橋から北にまっすぐに伸びるのが日光街道、そこから水戸街道が荒川土手の手前で分岐します。その角にあるのが和食「板垣」で、築84年(昭和13年建築)の旧板垣邸をリノベーションしたお店です。

 このお店は、ふらりと立ち寄れるようなカジュアルなお店ではありません。しかしながら、夜のメニューは税込8,800円〜13,200円で、僅かな覚悟があれば対応できる範囲です。何かの記念日には、こういうところで優雅な食事を楽しみたいと思います。

 ここは今でも交通の要衝(ようしょう)で、JR常磐線、東武伊勢崎線、東京メトロ千代田線、日比谷線、つくばエクスプレスの5路線が乗り入れている便利な町です。 駅の南にある踏切は開かずの踏切として有名で、その名もずばり「大踏切」。 ここを横切る通りの名前(大踏切通り)にもなっています。


大踏切(北千住一丁目踏切)



「大山鶏のつけ麺」

 さらにこの町には、1993年:放送大学 、2006年:東京藝術大学、2007年:東京未来大学、2010年:帝京科学大学、2012年:東京電機大学の5つの大学キャンパスが次々と誘致され、ガラの悪かった従来のイメージから、今では多くの若者が集う人気の学園都市に変貌しました。

 お昼は、「つけめん さなだ」に寄らせてもらおうと思います。場所は千寿本町小学校の裏で、商店街から少し離れた所にあります。ところで、小学校と中学校の漢字表記は「千寿」となっているようですが、充てる漢字に拘りを持つのはよくあるパターンです。

 話を戻し、このお店の基本メニューは「大山鶏のつけ麺」1,000円のようで、まずはこれを注文してみます。二種のチャーシューが先に別皿で出され、続けてスープと麺が到着です。

 チャーシューだけ別皿にするあたり、大山鶏のチャーシューには並々ならぬ拘(こだわ)りがあるに違いありません。チャーシューだけでなく、麺に添えられた鰹節(かつおぶし)にも相当拘っているようで、もはや食べる前から美味しさが伝わってきます。

【補足】
 大山鶏(だいせんどり)とは、鳥取県の大山とその周辺で飼育された鶏(にわとり)全般を指し、特定の団体によって品種や飼育環境が規定されたブランド名ではありません。 ただし、「大山どり」は株式会社 大山どりが商標登録したブランドです。

前編 中編 後編

(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。)
ついでに、他の「沖縄花だより」「紀行・探訪記」「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。