「東京・下町自転車」 (亀戸:後編)

香取神社

 近くには香取神社があります。この香取神社はスポーツの神様で、勝利を願うアスリート達が必勝祈願に訪づれるところです。鳥居に一礼し境内に入ってみれば、参道は八重桜でいっぱいです。さらに進むと狛犬がいて、さすがにスポーツの神様らしくサッカーボールを抱えています。・・いや、たんなる鞠でした。参道の右手にはなぜか亀戸大根之碑、左手には亀戸七福神(恵比寿神・大国神)も鎮座しています。まづは厳かに拝殿の前に立ちお賽銭を上げた後、ニ礼ニ拍一礼で礼拝の儀は終了します。

 香取神社のついでに寄ってみたいお店が「サンケイスーパー」。最強の激安スーパーという振れ込みで知る人ぞ知る個人経営の独立系スーパーです。噂の「モッタイナイ商品棚」を覗いてみれば、なんと賞味期限切れの1リットル紙パックジュースが98円。賞味期限切れの商品も、正しく明示しての販売はまったく違法ではありません。2007年に発覚した船場吉兆や赤福の製造期限・賞味期限偽装販売とは一緒にしないでもらいたい思います。


亀戸天神



船橋屋



天祖神社の道祖神
 

 次は亀戸天神に向かいます。今日は藤まつりの初日で天気も良いし、多くの見物客がひしめいています。池の中は亀でいっぱいで、池の鯉も泳ぎにくそうです。亀の多くはミドリガメ(正式名称:ミシシッピアカミミガメ)。これは全国的な傾向で、環境省でもたまらず特定外来生物への指定(輸入・販売・飼育などの禁止)を検討中らしいです。

 菅原道真を祀るこの神社の絵馬は合格祈願でいっぱいです。悪いところを触ると良くなるとい噂の神牛も、特に頭の部分が撫でられてピカピカです。 境内では太郎次郎一門が猿回しを披露中、大きな拍手喝采を受けていました。

 この神社でもう一つの隠れ人気は「鷽」(うそ)、あごの部分にオレンジ色をあしらったスズメより少し大きいおしゃれな鳥です。まずいことをやらかした場合でも、嘘(うそ)にしてくれるという優れもの。少しでも心当たりのある方は、皆さんそろってお出かけください。

 今の時間は16:30。せっかく亀戸天神までやって来たので、船橋屋でコーヒーを飲みながらあんみつでも頂こうと思います。創業209年のこのお店は、元祖くず餅で有名な和菓子製造・販売の老舗です。はたして店の前に来てみれば、外まで長い行列が続いていて、ここでも諦める以外にありません。

 この後に、どうしてもお勧めしたい穴場が「天祖神社」です。亀戸の北西の端にあり、香取神社からスカイツリーを目指して進んだところにありますが、住宅地の中にひっそり佇(たたず)むこの神社は、他所(よそ)から来た人にはなかな見つけ出せないだろうと思います。

 天照皇大御神(あまてらすおおみかみ)を奉る神社の境内には、なぜかそんなに古そうではない道祖神と童子の像が沢山並んでいますが、その意味合いはよく分かりません。

 天祖神社の裏手は浅草通り、その横には北十間川が流れています。この北十間川はスカイツリーにも繋がっていて、稀にカヌーの姿も見かけます。すぐ近くに浅草通りと北十間川がまとめて渡れる歩道橋があり、この上はスカイツリーの撮影スポットになっています。[スカイツリー]




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(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。)
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