「東京・下町自転車」 (亀戸:前編)

亀戸餃子

 「東京・下町自転車」とは、愛読書「沖縄自転車:カベルナリア吉田著」のパクリ。「東京下町の繁華街、亀戸駅前を横切る明治通りを、僕は自転車で進んでいた。」で始まるこの本は、自分に少なからぬ影響を与えた書籍の一つです。カベルナリア吉田先生は、ここから2,000kmにも及ぶ沖縄自転車旅に出かけることになりますが、自分の場合は、東京・下町自転車さんぽでお茶を濁そうかと思います。

 手始めは自宅近くの江東区亀戸界隈、まさに沖縄自転車の冒頭にあった部分です。今日は4月19日土曜日、東京では桜も終わり藤の花が咲き始めました。友達との待ち合わせはJR亀戸駅北口宝くじ売り場前。ここは都内でも、当たることで評判の宝くじ売り場で、窓口につるされた亀のたわしにクジを擦(こす)り付けると幸運が増すという噂です。


ハネ亀



亀戸餃子



亀戸ホルモン
 

 手元の時計は15:00。ところで亀戸といえば「ハネカメ」(羽亀)、亀戸駅前広場公園にある羽の生えた亀の噴水です。亀の背に天使のような羽をつけた発想も然(さ)る事ながら、同じ公園内には荒川の水位をリアルタイムで表示する「荒川水位表示モニュメント」があって、現在水位にあわせ亀のオブジェが上下する仕組み。亀戸周辺が堤防と水門で守られていることを如実(にょじつ)に実感できるモニュメントで、これは中々興味深い嗜好です。

 次は本命の亀戸餃子に向かいます。「亀戸餃子」はそれ自身がお店の商標で、ちょっとズルイような名前です。ちなみに特許の世界では、周知の事項AとBを組み合わせただけのものは、進歩性なしと見なされ認められません。 明治通りから東の路地に一本入ると、そこは怪しさいっぱいのワールドで、なぜか胸の鼓動が高まります。この付近にはホルモン焼きのお店も多く、路地を通っただけで焼肉の煙が服にこびりついてしまいます。

 路地に入るとすぐに亀戸餃子の看板が見えました。このお店のメニュは餃子だけで、黙って座っただけで餃子2皿(250円×2皿)が出てくると云うとても便利なシステム?です。餃子は小ぶりで具はキャベツ多め、このためお腹を気にすることなく「ぺろっ」と美味しく頂ける筈でしたが・・人が多くて近づけません。

 やむなく入店を諦めて正面を見れば、「ニューハーフパブ 笑いの大学」の看板が・・ポスターを見る限り、とても皆さん楽しそうです。しかしながら流石にここへのチャレンジは、もう少し亀戸を掌握してからにしようと思います。

 この路地をさらに進むと「ホルモン青木」。近くには「亀戸ホルモン」などの人気ホルモン焼肉店がひしめいていて、週末ともなれば路地一帯が人と煙で充満してしまいます。




前編(今いる所) 中編へつづく 後編 【周辺マップ】

(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。)
東京下町を探訪する他の記事(「東京・下町自転車」)や「沖縄花だより」「紀行・探訪記」「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。