【4月】 東京荒川 雑草だより | (麺処 夏海と天狗の鼻) |
お昼もとっくに過ぎていて、向かったのはJR赤羽駅近くの「焙煎汐蕎麦処 金字塔」です。塩だれのつけ麺が絶品だった記憶をたどって店の前まで来てみれば、シャッターが閉っています。どうしたことかとスマホで調べてみれば、移転のために休業しているらしいです。
落ち込む気持ちを立て直し、今度は駅前の「麺処 夏海」を目指します。 店の前には数人の行列ができていて、ラーメンの香りが道を挟んだ反対側にまで漏れてきます。 順番は程なく回ってきました。注文したのは醤油ラーメンで、半熟卵を追加でトッピング。細麺と縮れ麺が選択できるということなので、スープに良く絡む縮れ麺をお願いしました。
出されたラーメンには、豚バラとしっとりと丁寧に仕上げられた豚ロースの二種類のチャーシューが添えられています。 おもむろにスープを一口頂けば、あっさりした見掛けによらない濃厚なダブルスープで、ただならぬラーメンへの拘(こだわ)りを感じます。
ふと横目で隣席に目をやれば、食していたのはつけ麺で、これも見るからに美味しそう。 これならば、日をあらためて再来し、つけ麺も試してみる価値がありそうです。
美味しいラーメンを堪能したら、荒川土手に戻ります。 岩淵水門から3kmぐらい下ると、隅田川が大きく蛇行しながら右から迫ってきます。このあたりは天狗の鼻と呼ばれ、元々は、荒川の中心付近まで隅田川が張り出していたようです。
それを物語っているのが北区の境で、ここだけ荒川に深く食い込んでいます。しかも、北区側の河川敷は利用されないまま木が生い茂っているので、足立区との区界が明確に分かります。
天狗の鼻の先端付近にあったとされるのが阿弥陀の渡船場跡で、堤防には文化財の説明板が設置されています。伝説の巨人ダイダラボッチの墓と呼ばれる塚が近くにあったらしいのですが、その面影を残すものはありません。
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(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。)
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