【9月】 沖縄花だより | (後編:首里城 京の内から牧志 緑ケ丘公園) | |
識名園を後にして、次に向かうのはモノレール首里駅前。15分ほど待って13:47のバスがやってきました。乗客はまたしても自分一人、ゆいゆい号一人旅は続きます。 那覇市観光協会の事業計画では、一日300名の利用を目指していたそうですが、夏休みの8月でさえ一日180名、バス一台あたりの利用者は7.2人ということで厳しい営業が続いています。ここは大手あるいは地元観光業者との、がっちり手を組んだ起死回生策を期待します。 |
ラーメン「赤道」 |
首里駅前までは僅か一駅、前から気になっていたラーメン店「赤道」に寄るのが目的です。 赤道は1985年に始めた屋台が前身で、今でも屋台の味とインテリアにはこだわった店作りを続けています。 注文したのはつけ麺(冷)。出汁は豚骨でありながら丁度よい味付けの魚介風味、しっかり冷蔵庫で冷しているのも特徴です。 麺は茹でるのに10分はかかる極太麺、やはり氷で冷やしてあって、これが麺職人こだわりの自家製麺だったのかと納得の一品でした。 |
久々に首里城までやって来たので、「京の内」でも探索しようと思います。首里城内へはいつものとおり木挽門(きびきもん)から入場します。一般的には、守礼門をまっすぐ進み歓会門(かんかいもん)からの入場するのが普通ですが、あえて裏口から入場することで、一般観光客とは違うのだという全く意味の無い優越感が味わえます。 「京の内」へは、休憩所の手前を右に入ります。京の内に一歩足を踏み入れると、そこには凜とした身震いするような空気が漂います。この地は、城内の祭事を取り仕切るノロ(祝女)が信仰儀式を行った最高聖地であって、思わず身も心も引き締まります。足元には、識名園にもあったヤブランの小さな紫の花が一面に咲いていて、ここでも満開の時期を迎えていました。 首里城から、再びゆいゆいバスに乗って国際通りの「三越前」で下車します。三越にきたらマンゴウかき氷を食べる習慣になっています。こぼれんばかりの甘いマンゴウを口いっぱい頬張ったあとは、ニューパラダイス通り近くの緑ケ丘公園に向かいます。この公園には「ゴールデンシャワー」の大きな木があって、今頃、黄色の眩しい花を満開に咲かせている筈です。 咲いていました!その花陰は遠くからでも分ります。通りがかりの買い物客も、一様に携帯のカメラを向けています。参院選挙の行われた7月頃からちらほら咲いているのは知っていましたが、今が最盛期のようです。 ふっ!と横を振り向くと、木陰にちらりと藤の花に似た紫色の花が見えました。何かと思い近寄ってみれば、なんとしたことでしょう・・・ 先月探し続けたあの紫雲木です。開花は5月頃と聞いていましたが、樹木の頂上付近に1房だけ咲いています。葉の形も確認しましたが、先端が鋭くとがったこの形状は、間違いなく紫雲木の葉です。 夢にまで見た「紫雲木」、もはや頭の中はパンパンで、あたりを気にする余裕はありません。子供たちの遊ぶ赤と黄色のジャングルジムを駆け登り、無我夢中でシャッターを押しました。傍に咲くゴールデンシャワーとの対比も、とても綺麗です。 |
紫雲木 |
ゴールデンシャワー |
この後は、美栄橋駅からモノレールに乗って帰ります。早朝には2020年東京オリンピック開催が決まり、夕方には、野球18U(18歳以下)ワールドカップ決勝戦(日本vs.米国)が控えています。野球の勝敗を見届けた後は平均視聴率30%をコンスタントに叩き出す「半沢直樹」、サラリーマンの秘めた思いを10倍返しで叶えてくれるドラマです。 そして夜10時になったらNHK総合テレビのサンデースポーツ、そこでは今日あった感動の出来事を心ゆくまで復習する必要があります。 興奮続きの一日は、まだまだ終わりではありません。 |
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(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。) ついでに、他の「沖縄花だより」や「紀行・探訪記」、「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。 |