【9月】 沖縄花だより | (前編:ゆいゆい号と識名園) | |
今年の9月1日は立春から数えて210日目、台風が来襲する厄日とされています。早速やってきたのは台風17号。これまでの台風は、ほとんど石垣・宮古付近から東シナ海に抜けるルートを通っていましたが、太平洋高気圧の弱まる9月に入れば徐々に沖縄本島に近づいて来るので要注意です。 今日は9月8日 日曜日。朝方はだいぶ涼しく感じるようになりましたが、日中帯の気温は30度超、9月と言ってもまだまだ沖縄は夏です。 それ以上にヒートアップしていたのは、アルゼンチン ブエノスアイレスでのオリンピック招致最終プレゼンテーション。冒頭を勤めたのは高円宮妃久子さまで、フランス語と英語を流暢に操る気品に満ちたスピーチは、2ちゃんねるでも「かっこよすぎ!」と絶賛です。(スピーチ映像) |
ゆいゆい号 |
さて今回はすこし趣向を変え、観光周遊バス「ゆいゆい号」で那覇市内を廻ることにします。 ゆいゆい号は、那覇市観光協会が那覇バスに委託して運行する路線バスで、今年6月に免許を取得し開業の運びとなりました。識名園、首里城、おもろまち、そして国際通りへと、那覇の主要観光名所を直接結ぶとても便利な路線バスです。 一日乗車券が660円、那覇バス市内線にも乗れて3回使えば元がとれます。まずは那覇バスターミナルで乗車し、識名園に向かいます。 |
乗車したのは自分一人と観光協会のガイドだけ、結局、自分専用のガイドになってしまいました。説明してくれているのは途中のバス停である海南の名の由来や、与儀公園にD51蒸気機関車が置かれた経緯などですが、「なるほど!」とうなずいて見せる以外に、どのようなアクションを取ったらよいのか分りません。 |
識名園 コウシュンカズラ |
乗車して4つ目のバス停「識名園前」で下車します。識名園の入り口は駐車場の奥にあって、手前にはコウシュンカズラ(恒春葛)の黄色い花が満開です。 入場料400円を支払い中に入ると、カジュマルの木々に囲まれた石畳の道が園の奥へと続きます。道の両脇に咲く紫色の小さな花は「ヤブラン」、夏から秋にかけて咲く花で今が見頃、地味で控えめでとても品のある清楚な花でした。 「心」の字をくずした形とされる心字池までくると、あたりの視界は一気に開け、池の向こうには母屋(御殿)の姿が望めます。御殿は赤瓦屋根の木造建築で民家風の趣です。雨端(あまはじ)のある池を望む縁側はいたって気持ちよさそうで、ここに座ってビールを飲んだら何時間でも居れそうです。 パンフレットには琉球王家最大の別邸とありますが、この質素な作りは意外です。ここでは宮廷結婚式も執り行うことができ、参加者35名のプラン一式料金は¥315,000(披露宴は別)、これは一考の価値があると思います。 池の周りを廻遊した後は、奥の歓耕台に向かいます。周りは広場になっていてシマヤマヒハツが黒紅色の実をつけていました。食べられるということなので、一粒つまんでみれば、口の中いっぱいに甘酸っぱい香りが広がります。 |
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(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。) ついでに、他の「沖縄花だより」や「紀行・探訪記」、「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。 |