【7月】 沖縄花だより (守礼門のハナチョウジ)



 7月、沖縄に暑い夏がやってきました。ここは首里城守礼門前の広場、「ハナチョウジ」が満開の時期を迎えています。鮮やかに咲く真っ赤は花は、守礼門の朱の色と競っていて、一歩も後に譲りません。守礼門をバックに写真をとる観光客はほとんどですが、この時期は、真っ赤に燃えるハナチョウジをバックに写真を撮って貰いたいと思います。[守礼門のハナチョウジ]

 守礼門を飾るハナチョウジのすぐ横に、「オオゴチョウ」が咲いているのを気づいた人は少ないと思います。この花は、そうそうあちこちでお目にかかれる花ではありません。じっくり鑑賞したい人へのお勧めは、那覇やちむん通りのすーじ小(ぐゎー)。やちむん通りの花たちは観光客に見られることを前提に咲いていますから、さすがに花姿がしっかりとしています。[オオゴチョウ]

 オオゴチョウときたらサンダンカ。サンダンカはデイゴ、オオゴチョウと並んで沖縄三大名花に数えられる花ですが、那覇中の垣根や道路脇にたくさん植えられていて、「うちなーんちゅ」(沖縄の人)にとって珍しく思える花ではありません。知る限りでサンダンカが豪華に咲き誇るところは、首里から近い金城ダム。景観は首里城や識名園を意識して整備され、首里と識名園を結んでいたヒジ川橋もダム敷地内に当時のままに再現されています。 金城ダムは、水鳥たちにも愛されているようで、近くでじっくりアオサギと対面できたことはラッキーでした。[サンダンカ]

 ここまで紹介して来て、沖縄には赤い花が多いことに気が付きます。忘れてならない夏の赤い花といえば「ハイビスカス」、沖縄言葉で「アカバナ」、和名では「ブッソウゲ」(仏桑華)と云い、少々物騒にも聞こえます。夏のイメージが強いこの花も、沖縄では一年中見かけます。頑強そうですが、実は一日で萎む一日花。色の種類が豊富で、赤だけでなく、ピンク、黄、白、橙など文字通り色々です。[色々ハイビスカス]

 ハイビスカスの中でも、特に可憐な姿で心を引き付けるのは「フウリンブッソウゲ」。 繊細でかよわそうな容姿のこの花は、実はしっかりもの、一度咲いた花は数日持つということで、花も見かけによりません。フウリンブッソウゲを見かけたのもやちむん通りのすーじ小(ぐゎー)で、ここは焼き物以外にも見所豊富です。[フウリンブッソウゲ]



金城ダムとサンダンカ

やちむん通りのオオゴチョウ

フウリンブッソウゲ



前篇(この場所) 後篇(夏の夜の花、サガリバナへ続く)

(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。)
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