【8月】 沖縄花だより | (鳳凰編) | |
沖縄三大名花と言えば 「デイゴ」 「オオゴチョウ」 「サンダンカ」。 いずれも真っ赤な南国の花たちですが、このなかに「鳳凰木」(ホウオウボク)が入っていないのが納得できません。これにハイビスカスの花を加え、沖縄五大名花ぐらいにしても良いと思います。 世の中には色々な「三大○○」がありますが、鳳凰木は、カエンボク(火焔木)・シウンボク(紫雲木)と並び、世界三大花木にノミネートされていることが分りました。さすがに鳳凰の名を冠する花木だけあって、活躍の場は世界でした。 ところで世界三大美女といえばクレオパトラ・楊貴妃・小野小町ですが、これは日本の話であって、世界的にはクレオパトラ・楊貴妃・ヘレネらしいです。ヘレネはギリシャ神話に登場する架空の美女で、これは流石(さすが)に何でも有りのルール違反ではないかと思います。 鳳凰木は、沖縄では街路樹や公園に多用されていて、8月になろうものなら街じゅうがオレンジの花に染まります。お気に入りはイオン那覇店横の街路樹、那覇バスターミナル横の街路樹や県庁と那覇市役所の間にある小さな公園も素敵です。久茂地交差点から福州園の横を通る松山通りでは、足元に「サンダンカ」が植えられていて、ここでは世界の三大花木と沖縄の三大名花の競演を楽しむことも可能です。 鳳凰木は一本だけでも素晴らしいのに、ズラリと並んで咲いている様子を見ていると、まるで夕日に染まったオレンジ色の雲の上を浮遊しているような錯覚さえ覚えます。ただし沖縄の花木は咲き方が気まぐれで、並んだ樹木が一斉に咲きそろう様子を見れるのは、極めて稀な事態です。[イメージ写真] ところで鳳凰は、福沢諭吉と一緒に一万円札に出てくる霊鳥ですが、どうみても痩せたニワトリにしか見えません。手塚治虫のまんが「火の鳥」以来、鳳凰とフェニックスは混同されるようになってしまいましたが、霊鳥鳳凰の属性は風で、火の属性をもつ不死鳥フェニックスとは別物です。 |
イオン那覇店横 |
那覇バスターミナル |
メイクマン豊見城店 |
京都に行く機会があったので、その辺を確かめるべく平等院鳳凰堂の鳳凰像を見てくることにしました。平等院鳳凰堂といえば10円玉、平安時代に極楽をイメージして建てられた阿弥陀堂です。この阿弥陀堂の屋根の上に飾られているのが一組の鳳凰で、すなわち鳳さん【オス】と凰さん【メス】です。名古屋城といえば金の鯱(しゃちほこ)、首里城といえば三本爪の龍、そして平等院といえば一万円札にも描かれたこの鳳凰です。 沖縄から京都へは二度目のPeachで向かいます。那覇-関西路線は最近一日三便に増え、大変便利になりました。朝一番の出発は9:30、関空には11:20の到着で、京都へはリムジンバスで14時頃には到着します。Peachは、若い女性への人気が特に高く、空席はほとんどありません。 一方、同じ路線を運行するジェットスターは、6月17日発売の週間現代にブラック企業だったとまで揶揄(やゆ)されて、LCCの評判に水を差す結果となりました。 平等院があるのは京都府宇治市、宇治茶で有名なあの宇治市です。 しかしながら「宇治茶」については、宇治市さらには京都府内の茶園減少には為(な)す術(すべ)もなく、「京都・奈良・滋賀・三重の四府県産茶で京都府内業者が府内で仕上げ加工したもの」という京都府茶協同組合の勝手な都合を取り入れた、勝手な定義になっているようです。 宇治へは京都駅から快速で20分、期待を胸に訪づれて見れば平等院鳳凰堂は修復中、建物全体が白い工事用のシートで覆われています。そのため本来600円の拝観料が修復期間は300円ということで、損をしたのやら得したのやら良く分かりません。しかしながら鳳凰像本体は敷地内の博物館(鳳翔館)に大切に保管されていて、目の前で大きく羽を広げて迎えてくれました。 |
ハッピーPeach |
平等院鳳凰堂 |
鳳と凰 |
鳳凰編(この場所) | 次編へ続く(次は、紫雲木がテーマです。) |
(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。) ついでに、他の「沖縄花だより」や「紀行・探訪記」、「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。 |