真樹の「なかゆくい」 (三休み:慶佐次マングローブ カヌー体験)


 2012年10月体育の日、慶佐次川マングローブカヌー体験に行ってまいりました。 慶佐次(けさじ)は辺野古の更に北、プロゴルファー宮里藍選手の故郷である東村(ひがしそん)にあって、自然溢れるエリアです。これを見て、慶佐次でマングローブカヌー体験してみたい!と思って頂ければ幸いです。

 先週は、台風17号が沖縄本島を直撃し、大きな爪痕(つめあと)を残していきました。

 それに先立ち襲来した台風15号は、沖縄気象台から「史上最強」とのお墨付きを頂きましたが、いざ来て見ればさほどのことはなく、油断した矢先に台風16号・17号が沖縄本島ど真ん中を2連発。

 特に台風17号では、全世帯の約6割に当たる約33万4400戸が停電し、まさに3球3振バッターアウトという「ぐうの音」も出ない結末となりました。

 台風17号は、那覇で最大瞬間風速61.2メートルを記録。那覇では歴代3位を誇る風速で、屋根が飛んでしまっても不思議のない威力です。

 しかし驚くには及ばず、宮古島や石垣島を含めた沖縄県全域で数えれば28位と云うことで、まだまだつわものはいたようです。

 今回挑戦しようとしている慶佐次川マングローブカヌーツアーは、沖縄北部のヤンバルで行われ、土砂崩れや高潮などの大きな被害が出た地域です。 多くのシオマネキやトビハゼが、健在な形で迎えてくれることを期待します。

2012年 台風17号の経路


東村 慶佐次川のマングローブ
 前日は、夜遅くまで台風の後始末に追われましたが、翌10月6日 朝8:00には、OTSレンタカーのカウンターでレンタカーの受付待ち。 沖縄本土復帰40周年を記念した基本料金40円プランを予約していたからです。

 40円と云っても結局は、免責保険料1,575円に安心パック525円を加えると総額2,140円。お得な料金には違いありませんが、それならそうと最初から云って貰えれば良かったと思います。

 この種の値段であやしいと思うのが飛行機料金に加算される燃料サーチャージと空港使用料。どうせ取られる料金なので、航空代金に合算すればよいものを、別建てで徴収する意図が分りません。

 なんだかんだと生産性のない愚痴をこぼしながらも、高速道路に乗って目指すは東村慶佐次。 広大なマングローブと豊かな自然が待っています。


慶佐次マングローブ カヌーツアー
 当日は中潮で満潮9:59、干潮15:18。カヌー体験時間が12:00〜15:00なので、最後の方はシオマネキが沿岸を埋め尽くす時間帯です。

 この時間のツアーには、3グループ10名が参加しました。 どのグループにも沖縄在住あるいは出身の人がいて、ベタな沖縄観光には飽き足らず、ここにやって来た人たちばかりのようです。

 まずはライフジャケットを身につけて、カヌーの操作方法を教わります。なんだかんだ云っても、カヌ―の操作は力ずく。車でも、排気量の多い車には敵(かな)いません。

 しかしながら川の流れは穏やかで、力(りき)んでオールを漕ぐ必要はありません。周囲の自然を楽しみながら、ゆったりオールを操作すればそれで十分です。


ツアー参加者全員で記念写真
 頭の上にはツバメが飛び交い、遠くにはカワセミの姿も見えました。 マングローブの葉は茶色に染まり、周辺は秋の様相です。しかし、沖縄に紅葉はありません。これは台風17号が海水を巻き上げたことによる塩害の仕業(しわざ)です。

 上流に向かううち、オールを漕ぐこと自身が楽しくて、周りの風景はどうでもよくなってきました。カヌーは2人乗りで、2人の動作が同期してくると、無駄な力を入れなくとも、カヌ―はどんどん前に進みます。

 ツアーのコンダクター(案内人)は1名、これだけわがままなメンバー達をまとめ上げるのは、並大抵のことではありません。お客であるという立場を忘れることなく、上手におだてながら全体をコントロールしているご苦労がよく分かります。

 上流でUターンをした後、一気に海まで漕ぎ出します。もはやカヌーの操作にはすっかり馴れて、海の荒波に立ち向かうことが楽しみに変わってきました。

 最後は、全員で記念写真を撮ってツアー終了です。 皆さんテンション上げ過ぎで、帰りの道はぐったりでした。


 ここまでつらつらと紹介してきましたが、ちょっとはマングローブカヌー体験をしてみたい気持ちになって頂けたでしょうか?? 今回はここまでとさせていただきます。最後まで読んで頂き本当にありがとうございました!

(文:梶原正範、写真:やんばる自然塾)
(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。)
ついでに、「沖縄紀行・探訪記」「沖縄花だより」真樹の「なかゆくい」へも、ぜひ訪れてください。