東京下町 樹木探索 (東京亜熱帯)[印刷用]

ジャカランダ(江東区亀戸)

 近年の東京で、ゲリラ豪雨はあたりまえ、沖縄などの亜熱帯に生育する植物も街角で見られるようになりました。たとえば南米原産の「ジャカランダ」、江東区亀戸の町工場の敷地の角に見事なジャカランダを見つけました。 樹齢7年目の木で、最初の2年間は冬に藁(わら)で囲いをしたりして大事に育てたのこと。その甲斐あって、今では樹高5〜6m程まで育ち、紫色の花をたわわに咲かせています。

 これほど見事な花を見たのは、スペイン・アンダルシア地方の小さな都市「マラガ」以来です。そこにはピカソの生家があって、その前のメルセ広場はジャカランダで満開でした。 一方、沖縄でも嘉手納ロータリーの交番前にあるジャカランダの大木が有名で、この木の花の咲く時期には、一度現地を訪づれ表敬したいと思っています。


ブーゲンビリア(江戸川区平井)



アメリカデイゴ(江戸川区小松川境川親水公園)

 東京近郊で、ジャカランダより珍しいのが南国の花が「ブーゲンビリア」。 霜の降りる地域では育たないと思っていましたが、江戸川区平井の住宅地を自転車で散歩していて、奇跡的に目にすることができました。

 まさか夢でも見ているのだろうかと目を凝らしますが、その蔓は日当たりの良い南面の二階のベランダを覆っていて、深紅(しんく)の花を一面に咲かせています。

 インターネットで「ブーゲンビリア 東京」と検索してもヒットするのはホテル ブーゲンビリアのみ、流石(さすが)に東京では、相当珍しいに違いありません。

 その他にも珍しいと思ったのは、「アメリカデイゴ」。鹿児島県の県木でもあって、まあまあの寒さには耐えるようで、公園などでたまに見かけます。しかしながら同じデイゴでも、沖縄の県花であるデイゴ(梯梧)については、東京で見かけたことはありません。

 沖縄のデイゴには、「台風の当たり年にはよく花を咲かせる」という噂がありますが、今年は、6月14日時点でまだ台風が発生していません。

 ウェザーニュースの解説によれば、エルニーニョ現象がこの春に終息し、台風発生源である太平洋赤道付近の海水温が低くなっている為との事ですが、どこか不気味な予感が募ります。






(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。)
東京下町や沖縄を探訪する(「東京・下町自転車」)、「沖縄花だより」「沖縄紀行・探訪記」「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。