「神の島 久高島」  路線バスの旅 久高島振興会

 2011年9月3日6:00起床。 今日は「神の島 久高島」へ行こうと決めていた。 久高島に興味を持ったのは、去年の台風7号の時。 久高島沖の巨大な渦が報道されていたからだ。 これが神の悪戯でないとしたら、誰の仕業だろうと思った。

 今日の風は北北西5.4m。 天気予報は1日中晴れ。 四国高知には、まさに台風12号が上陸しようとしている矢先なのに、「申し訳ない」と後ろめたさを感じつつ、沖縄もたいへんだったんだ!と意味のない言い訳をしながら7:20自宅を出発。  ゆいレールで旭橋下車。 駅の階段を降りてすぐに那覇バスターミナル10番ホームがある。 旅の情報源は、カベルナリア吉田著「沖縄の島へ全部行ってみたサー」とi-Pad。 ここから東洋バス38系統8:07発「志喜屋行き」に乗れば安座間港まで1時間で行ける事になっている。

 安座間港10:00発のフェリーに乗船。 25分程で久高島に到着。 まずは船の待合所で自転車を借りて、東海岸沿いに島の北端を目指します。 島の東側は神々が毎年ニライカナイからやってくる浜。 北端は琉球の祖神・アマミキヨが降り立った場所で白い一本道の先にあります。  島の中央には、沖縄でも最高の霊場のひとつであるクボー御嶽があるが、ここはよそ者いっさい立ち入り禁止。 ここまで廻って島の人に会ったのは、畑仕事のおばぁと、留学センター職員らしき2人だけ。 石垣のきれいな集落内も見て廻ったけれど、だ〜れもおらず、人気テレビドラマ「TRICK」の「どんと来い超常現象」の村に迷い込んだという感じです。

 島を一周したところでオリオンビールを一気に2杯。 船の待合所横にある「食事処とくじん」で頂きました。 生ビール一杯500円は観光客向け価格に違いないと思いながらも気分は二ライカナイ(極楽)。 軒先には、のらの子猫が何の警戒心もなくダラ〜と寝そべっています。 時が止まるの例えのとおり、島にはゆったりとした時が流れていました。 島の土地はすべて村の共有地だそうで私有地はなし。 畑の境はこぶし大の石を並べただけ。 私欲に目の眩んだ乱開発もなし。 そのため島内はどこに行っても小綺麗で、自然は自然のままにうやまわれ、そのままの姿で残されています。 そして、ソフトバンクの携帯電波さえ寄せ付けない絶対宇宙(神)のパワーが島全体を覆っていました。

 15:00離島。 15:40あざまサンサンビーチバス停から那覇行きバスに乗車。 バス待ちの間、「那覇まで2,000円でいいよ!」というタクシーの甘い誘惑を振り切って、「路線バスの旅」という心地よいフレーズに陶酔しながら旭橋のバスターミナルまで帰ってきました。

(文・写真:梶原正範)
(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。)
ついでに、「紀行・探訪記」「沖縄花だより」「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。